投稿した写真の向きが変更されてしまう時の対処法

カメラで写真を縦向きで撮ってWindowsに取り込むと写真は縦で表示されますよね。
ところが、あるサイトにアップロードしたところ、縦写真が横向きでアップロードされてしまったことがありました。写真初心者の私には何が起きたかさっぱりわかりません。
Windows上の表示は期待通りにも関わらず、何度アップロードしても横になってしまって答えを探すのに苦労しました。
同じようなことでハマってしまった人のために対処方法を記しておきます。
写真の画像方向は何で決まるか
カメラによってオリジナルの画像方向は決まっている
全て横向きなんです。デジカメをイメージするとわかりやすいです。
シャッターボタンが上になるように横向きで撮った時の画像を基本に上下左右が決まります。
スマートフォンの場合、普段利用する時は縦ですが、画像に関して言えば、これも横向きで撮った場合の画像が基準になります。ホームボタン等が右にくるように持つのが正解で、その状態の画像で上下左右が決まります。
スマートフォンの場合、縦で写真を撮ったとしても、画像そのものとしては、常にホームボタン等を右にした状態なんです。
では、なぜ縦に撮った写真は期待通りに縦で表示されるかというと、カメラやスマートフォンが備えている重力センサーを元に、「この画像はこっち向きで見なさいよ」という別の情報を付与してくれるからです。
「画像をどの方向で見るべきか」という別情報が付与される
この別の情報のことをExifと言います。Exifというのは該当の写真に関する様々な情報が載っているメタデータのことです。
一時期、家で写真を撮ってSNSにアップロードしたら、そのExif情報の中に位置情報が入っていて、自宅がわかってしまうので危険なんて話もでましたね。
その他、その写真を撮ったカメラ名や、フラッシュを使用したか等の情報も入っています。
その様々な情報のうちの一つに「画像をどの方向で見るべきか」という画像方向(Orientation)という情報があります。
画像としては、前述の通り、カメラによって上下左右が決まっています。
Exifの画像方向では、「画像の上と左側が、どちらになるべきか」が指定されています。
先程のevianの写真は、縦に見ることを期待して撮った写真です。
よって、「『画像の上』が『右』にくるように、『画像の左』は『上』にくるように見なさい・表示しなさい」というExif画像方向タグがはられます。
Exif情報を見るツールで確認するとそのように設定されているのがわかりますね。
アップロード後に意図しない方向で表示された原因
基本的に少ないと思いますが、Exifの画像方向タグを考慮するソフトと、そうでないソフトがあります。
私がアップロードしたサイトは考慮しない仕様のため、Exifの画像方向タグによって一見、WindowsやiPhone上では、縦になっているように見えていた写真でも、常にオリジナルの画像方向(横向き)になってしまったんですね。
対処方法
画像自体を回転させてExifでは「上/左」に設定
Windows上で写真を右クリックで回転させる機能がありますが、あれは画像自体を回転しているのではなく、「Exifの画像方向タグ」の設定値を変えているだけです。
**Exifの画像方向タグが考慮されないことを踏まえると、**おおもとの画像自体を回転させ、Exifの画像方向タグは「上/左」に設定しておきましょう。
対処手段(imBatchの利用)
imBatchというソフトが使いやすそうだったので選んでみました。
商用だと30$しますが、個人で使うには無料で使えます。日本語もサポートされています。(後に日本語で難があることに気づきましたが)
画像回転時に画像を劣化させない方法かどうかについてですが、おそらく対応しています。
以下、公式サイトに以下の記載があります。
http://www.highmotionsoftware.com/download-center/imbatch
imBatch v5.0.0より
「Added ability to save lossless transformations for JPEG (flips and rotations).」
インストール
以下、公式サイトでインストーラを取得しましょう。
http://www.highmotionsoftware.com/products/imbatch
インストーラをダウンロードしたら起動して、「Next」を選択し続けていけば、インストール完了です。
変換手順
起動直後の初期状態です。
変換対象のファイル読み込み
ドラッグアンドドロップか、フォルダボタンでファイルエクスプローラで対象を指定します。
プレビュー表示ボタンを押下すると、画面下部にプレビュー画面が表示されます。このプレビュー画面では、Exif画像方向が反映されていない素の状態が表示されています。一方で、ファイルリストの方ではExif画像方向の設定が反映されている状態で開かれているのがわかります。
Exif情報を確認してみる
画面右上部のツールからEXIFエディタを起動します。
このように、exif情報が参照できます。縦写真なので画像方向タグの値が「右/上」となっていますね。
処理内容の追加
画面右の「タスクの追加」から実施していきます。
画像をExif画像方向情報に基いて回転する
「タスクの追加 > 変換 > 回転」を選択します。
「回転タスク」が追加されるので、詳細設定します。Exif情報に基いて回転させます。プレビューの変更後画像が縦になります。
Exif画像方向タグを「上/左」に設定する
「タスクの追加 > タグ > EXIF/IPTCタグのセット」を選択します。
「EXIF/IPTCタグのセット」が追加されるので、詳細設定します。「[EXIF]画像方向」に「左/上」を設定します。処理対象の画像を直接上書き変更して良い場合は、左上のボタンを押下することで処理が開始します。
変換後のファイルは別ファイルとして保存する
オリジナルはとっておく場合、別名保存のタスクが必要になります。日本語だと変更後のファイル名指定でバグがあって使えなかったため、ここで「English」に言語変更します。
「Add Task > Save > Save As」を選択します。
「Save Asタスク」が追加されるので、詳細設定します。
- File Name:ファイルの名前
- File Type:拡張子(JPEGなど)
- Folder:どこに保存するか
各項目の右には「+」マークがあり押下すると以下のような選択肢が表示されます。これらを使ってオリジナルのファイルの一部分を変更後のファイル名に利用できます。
ここでは変更後のファイル名を元々のファイル名 + 「_回転済」としてみました。
- File Name:<Original Name (Without Extension) >_回転済 拡張子なしのファイル名に「_回転済」を加えています。
- File Type:
元々のファイルタイプを適用しています。 - Folder:<Source Folder> 編集対象のファイルが存在するフォルダに変更後ファイルを置く設定です。
- If file exists:Ask me 変更後のファイル名がバッティングした場合、都度聞く設定です。
処理の実施
左上部の開始ボタンを押下すると処理が開始し、以下のような完了画面になります。
一連のタスクの設定は、「処理開始ボタン」から2つ右にあるフロッピーのようなボタンを押下すると、保存しておくことができます。頻繁に使う組み合わせは保存しておくと良いでしょう。
変換結果
このように指定した名前で変更後のファイルが作成されます。
変更後のファイルもimBatchに読み込んで変更前後の情報を確認してみましょう。
まず、変更前です。
続いて変更後です。プレビュー画面でも画像自体の方向が変更されていることが確認でき、exif画像方向タグも「上/左」になっています。
あとがき
良い勉強になりました。普段何気なく使っているものでも知らないことって多いですよね。imBatchはバグが残念でしたが、その他機能が満彩なので画像編集で便利かもしれません。回転だけであればその他のソフトで十分な気もしますね。
以下、リンク先の「JPEGファイル回転自動処理版 azure automatic」というのも良いと思ったのですが、なぜか動作しませんでした。
http://www.vector.co.jp/soft/win95/art/se310329.html
それではまた!